英会話スピーキングのトレーニング方法として瞬間英作文という手法があります。
有名な方法で多くの方が取り組んでいる優れた手法です。
実際僕もスピーキング力向上のため、瞬間英作文トレーニングを行なっています。
でも実は僕は”教材を用いた瞬間英作文”はやらないようにしています。
なぜなら教材を用いた瞬間英作文には大きなデメリットがあるからです。
今回は教材を用いた瞬間英作文の2つのデメリットを紹介したいと思います。
Contents
瞬間英作文とは?
瞬間英作文のトレーニング方法を紹介します。
- 伝えたいことを日本語で考える
- 瞬時に日本語を英語化する
- 英語化した文章を発声する
正に瞬間的に日本語から英語への変換(英作文)を頭の中で行い、発声するトレーニングです。
学生の頃、日本文を英作する問題が英語のテストであったと思いますが、これを頭の中でやって実際に声に出すイメージです。
書いて考えるのではなく、頭の中でやるため中々負荷の高いトレーニング方法です。
だからこそ瞬時に英語を発するトレーニングとして非常に効果の高い方法です。
瞬間英作文の効果とは?
瞬間英作文には英会話スピーキングの真髄が詰まっています。
英会話におけるスピーキングプロセスは、IAMP(イアンプ)というプロセスで構成されていると説明しました。
<スピーキングの4つのプロセス>
伝えたいことを①想像し(Image)、②組立て(Assemble)、③英語化し(Making)、④発声する(Project)
つまり瞬間英作文はこのプロセスを全て行うトレーニング方法なんです。
特に自分の伝えたいことを英語化するという観点で、非常に優れた効果がある手法です。
音読と一緒に行えばスピーキング能力を大幅に向上させることができます。
教材を用いた瞬間英作文の2つのデメリット
ではこんなにも効果があるのに、なぜ僕は瞬間英作文の教材をおすすめしないのか?
教材を用いた瞬間英作文にはデメリットが2つあるからです。
デメリット1:自分の伝えたいことを表現する訓練にならないから
教材を用いた瞬間英作文は、基本的に教材に書いてある日本文を英語にするというプロセスになります。
最初から伝えることを日本語で与えられている点が大きな特徴になります。
前述したようにスピーキングにはIAMPという4つのプロセスがありますが、この場合の瞬間英作文は③英語化して、④発声するという後半2つのプロセスしか通りません。
①自分で伝えたいことを想像して、②組み立てるというプロセスが抜け落ちてしまっています。
つまり自分の伝えたいことを表現する訓練にはなっていないんですね。
もちろん英語化して発声するスキルも重要であり、否定している訳ではありません。
しかし実際の英会話では、人に伝えたいことを与えられません。
自分で想像して組み立てないといけないのです。
この最初の2つのプロセスが英会話習得において重要なポイントになります。
そういった観点で見ると、教材を用いた瞬間英作文を片手落ち感が否めません。
これが1つ目のデメリットになります。
デメリット2:ただ暗記した英文を繰り返し口に出すだけになりがちだから
教材を用いた瞬間英作文は、文字に書かれた日本語の英語化を何度も繰り返して習得して行きます。
何度もやってくるとだんだん日本語を見た瞬間に英語化できるようになってきます。
しかし、ここで注意が必要です。
それは、ただ単に英文を暗記し覚えたことを繰り返し口に出しているだけになってしまうことです。
IAMPの3つ目のプロセスの”③英語化”には実は重要なポイントがあります。
それは、自分の頭の中に入っている単語や表現を引っ張り出してきて英語化する、ということです。
実際の英会話で暗記している文章を発することは、多くはありません。
自分で主語や動詞などをどんな単語で表現するか、自分の頭から取り出していくという作業になります。
教材を用いた瞬間英作文に取り組む際は、暗記に頼らないように心がけることが大切です。
これがデメリットの2つ目になります。
瞬間英作文自体はとても効果が高いトレーニング方法
ここまで教材を用いた瞬間英作文のデメリットについて述べてまいりましたが、瞬間英作文自体は全く否定しておりません。
むしろスピーキング力向上のために、とても重要で効果の高いトレーニング方法です。
何故ならIAMPの4つのプロセスを全て網羅できる方法だからです。
<スピーキングの4つのプロセス(IAMP)>
伝えたいことを①想像し(Image)、②組立て(Assemble)、③英語化し(Making)、④発声する(Project)
では教材を用いないでどのように瞬間英作文をやっていけば良いのか知りたいですよね?
そのやり方については別の記事で紹介したいと思いますので、ご覧いただければ幸いです。
まとめ
今回は教材を用いた瞬間英作文の2つのデメリットを紹介しました。
もちろんメリットもありますので、デメリットと向き合いながらトレーニングすることが大切です。
また瞬間英作文自体はとても優れたトレーニング方法です。
正しいやり方で行えば非常に高い効果を得ることができますので、どんどんやっていきましょう!